大階段が - 崩れ落ちた。

ピトーの跳躍から、このナレーションに至るまでの一連の演出が素晴らしすぎる!!!

宮殿突入から、恐ろしく増えるナレーション。
初めて原作を読んだ時には、かなりキツかったナレーションによる進行。
アニメではどうするのかなぁ‥と、随分前から気になっていました。
前回のネテロ会長の回想メインの111話は、正直「どーなのよ」という感想でした。

が!! 今回は凄かった。

原作に忠実なナレーションによる進行。そこにキャラのセリフが被ってきて醸し出される得も言われぬ緊張感。前半Aパート部分は、綺麗な作画だけどトメ絵が多くて、うーん‥と思っていました。‥が! Bパート後半の素晴らしさといったら!! 動くシーンは凄く動く。ユピーの形態変化の禍々しさ。絵と動きで見るとその異形さが際立ちます。特に大階段崩壊直後のユピーの動きが、直前の場面の静寂を打ち砕き、本当に見事です。また、プフの宮殿に向かう動きそのものが、彼の心情を何より物語っていました。今回、トメ絵と動画のメリハリがすごく感じられたような気がします。

そして、何より素晴らしかったのが、傷ついたコムギを抱く王の姿。
モノクロの絵に鮮やかな血の色。
セリフもBGMも一切無しの静寂。
コムギに対する王の所作に、彼女に対する愛しさと優しさが溢れていて堪りません。二人の行く末を知っているだけに、ものすごく切なくなります。「頼んだぞ」の王の声音が、何て言うか、もう、もう‥ この場面を見た直後の「表裏一体」のEDは切なさ全開です。

‥‥それなのに、シリアスな空気を全く読まない、ノリノリな次回予告にがっくりうなだれるのでありました。


永井一郎さんの訃報を知った今、ネテロ会長の声を聞くと、改めてこみ上げるものがあります。
謹んでご冥福をお祈りいたします。